熊野古道(小辺路)歩いてきました(前篇)

10/21から10/24の4日間で熊野古道の小辺路(こへち)を歩いていきました。高野山から熊野大社までの直線距離にして70キロくらいの行程です。健脚の人なら3日間て踏破出来ますが、2泊目はテント泊しなければならないのと(年齢的にも)無理そうなので、のんびりと4日間かけて歩く事にしました。
 前日(10/20)の朝6時過ぎに自宅を出て高野山に向かいます。普通なら新大阪→なんば経由→高野山のルートで行くのが最適ですが、それじゃ面白くないので、名古屋乗換で近鉄特急(火の鳥)→なんば乗換→南海特急(こうや)→高野山で、金剛峯寺に着いたのが15時前でした。関西近畿圏は複数の鉄道会社が同じ路線を走っているので競争が激しく、各社個性的な特急電車を走らせているので乗っていてい楽しいです。近鉄特急「火の鳥」はロマンスカーを更にグレードアップしたような車両で、非常に乗り心地がいいです。南海特急「こうや」はちょっと古い車両ですが、山の奥に入っていくと、箱根登山鉄道を古いロマンスカーで登っているような感じで中々趣がありました。初日は登山とは関係なく鉄道オタク気取りの一日でした。
 高野山はお寺の町なので、ホテルや旅館が(ほぼ)ありません。なので宿坊に泊まります。17時半に夕食が始まり、(お世辞にも美味しいとはいえない)精進料理を食べるのですが、残念ながら晩酌にビールは飲めません。ま、精進料理で晩酌もないので、ここは我慢して食べる事に専念します。普段、柔らかいごはんを食べているせいか、非常に噛みごたえがあって、こんなにしっかり咀嚼してご飯食べる事なんて記憶にありません。周りはみな外人さんで、よくもまぁこんな高いお金払って(決して安くはない)こんなとこ泊まるな~って感心してましたが、西洋人から見ると興味深いんでしょうね、きっと。
 翌朝は6時半からお勤め(自由参加)があって7時半に朝食です。朝食はしっかり味がついていて、がんもどきの煮たのは美味しかった。8時に宿坊を出て、奥の院まで歩いていきます。朝早いので人もまばらで、好天も幸いして気持ちのよい初日となりました。途中の和菓子屋で焼餅と胡桃餅買って、いよいよ熊野古道に入ります。高野山の標高は900mくらいなので、初日の高低差は300mくらいしかありません。登山というよりはハイキングに近い感じ。けど距離は結構あってスマホの記録では20キロを軽く超えていました。初日は奥の院観光も含め6時間くらい、14時には下山してホテルの迎えを待ちます。1泊目の宿泊先は野迫川村(奈良県)というところです。日本で一番人口の少ない村(300人くらい)だそうで、ホテルのエレベーターに乗った時に村で唯一のエレベーターだと自虐なのか自慢なのかよくわからない説明を受けました。夕食は鴨鍋、カモ肉が柔らかくて美味しかった。もちろんビールも飲めたし、温泉の泉質もサイコー。朝方に買った焼餅も美味しかったし、天気も良かったし、なかなかいい出だし。疲労感もほどほどで、21時には就寝しました。

後編に続く…。

文と画像 井上